幸太郎 「シャバの空気が胸にしみる……」 俺は団幸太郎。刑務所から出所したばかりだ。 45歳の時に死んだ親父の後を継ぎ、銭湯の経営をしながら覗きと脅迫で客の女達を次々に飼い慣らし、愉快なハーレム生活を楽しんでいた。 ところが欲張りな幼馴染みの悪党仲間に弱みを握られ、女達に出張ヘ○スをやらせはじめたせいで極楽生活の歯車が狂った。 うまくいっていた女達との関係が悪化し、俺は警察に逮捕されてしまった。共犯であるはずの幼馴染みは、うまく俺一人に罪をなすりつけて無罪になったらしい。 俺には家族もなく、服役中に面会や差し入れに来る者もなかった。当然、出所した俺を出迎える者も、いや、帰りを待つ者さえただ一人としていないのだ。 そんな何もない世界で、これから俺は一体何をするのか? 実はもう決まっている。 とりあえず女とヤる!! ……って、それじゃ前と同じじゃないか。 まったく、親父譲りのスケベ根性だけはどうしょうもないらしい。 だが他に何も思いつかないので、俺はとりあえず有り金でソープへ行くことにした。 刑務所での鬱積を晴らすかのように遊び狂った。 結局その日は家には帰らず、風俗街の近くにあるカプセルホテルに泊まり、ソープ嬢の余韻を反芻しながら俺は眠りに落ちた。 翌朝、カプセルホテルを出た俺は自分の家である銭湯『大衆浴情』へ向かった。 ボロ家だが先々代から住み続けている家なので少しは愛着というものがあるし、少なくとも今の俺にとってはそれが全財産だ。 建物はともかく土地はそれなりの値で売れるはず。その金で何かやるもよし。 いや、その前にもう一度『万華鏡』の杏子ちゃんとお手合わせしたいものだ。 と、思いを膨らませつつ我が家を見た俺は 幸太郎 「なんだこりゃ!? サラ地になってるぞ? おまけに売り地って、俺は売ってねえぞ!」 そこはまっさらさらのサラ地であった。 幸太郎の胸中いかばかりか! 瞬時にして2人の顔が浮かぶ… 幸太郎 「平作、健太! あいつら〜」 幸太郎の店がなくなってしまった所から始まる、シリーズ第三弾! ますますおもしろくなる”オイラは番台”にご期待下さい!